2014年に大阪から移住榎本昌通さん

農業は厳しく大変だけど自分には合っている。
時間の使い方を自分で考えられるようになった。

岩本さんご夫婦

Profile

子育て世帯・30代で移住を決意
2014年 大阪府から鳥取市へIターン

ぶっちゃけ話、聞いてみました! INTERVIEW

Q

いつごろ鳥取市に移住されたのですか?

Q

榎本さん

子供が生まれた年に来たので8年前の2014年です。奥さんが鳥取出身で、子どもが生まれるタイミングで仕事を辞めて鳥取市に来ました。

Q

鳥取市に来る前のお仕事は?

Q

榎本さん

商社マンでした。非鉄金属の営業をやっており、7年くらい勤めていました。

Q

移住を考えたきっかけは?

Q

榎本さん

サラリーマンをずっと長くやっていて、始発から終電まで繰り返しひたすら働いてたんです。だけど、子供を授かり自分の人生このままでいいんかなと思って…。

もともと体を動かすことが好きだったので、農業の経験は無いですけど...そこまで深く考えずに軽い感じでやってみよう!と思いました。

Q

農業に興味はあったんですか?

Q

榎本さん

興味はありましたね!担い手がどんどん減っていると言われていますが、まだまだやりがいはあるんだろうなぁと思っていたので、やってみたいという思いが大きかったですね。

Q

どんな野菜を作ってらっしゃるんですか?

Q

榎本さん

トウモロコシがメインです。あとは枝豆・白ネギですね。
トウモロコシや枝豆は同じ時期で6月から9月ぐらいまでがピーク。その時期は収穫と管理、出荷でめちゃくちゃ忙しくなります。次の収穫に向けての植え付けや準備は2月、3月ぐらいから始まる感じです。

Q

移住の相談をしたときの奥様の反応はどうでしたか?

Q

榎本さん

大反対でしたね。サラリーマンの方が絶対いいって(笑)
僕は鳥取で農業やりたいと言ったのですが、奥さんは「今から子どもも生まれるからお金が必要なのになんで?」みたいな(笑)

「嫌」とは言わなかったですけど、今聞くと嫌だったって(笑)

ただ僕自身がよく働く奴だというのを奥さんもわかっていたから、好きなようにさせてみたんじゃないですかね(笑)

Q

移住するにあたって、主な情報収集の方法は?

Q

榎本さん

大阪であった移住定住相談会に1回行きました!

そこで「農業をやってみたいという思いがあるんですけど」って話をしたら、新規就農者に関する研修制度と、鳥取県農業農村担育成機構の“アグリスタート”という『農業を教える制度』があることを教えてもらいました。

“アグリスタート”っていうのは自分の育てる作物を決めて、実際に育てている先輩農家に教わりに行くんですよ。でも当時の僕は農作物なんて作ったことないから「何を作りたい?」と言われて「よくわかんないっす」って答えました(笑)

鳥取市の『とっとりふるさと就農舎』の新規就農者の研修制度は、全般的な事を教えてもらいながら、その中で「これだ!」と思う作物を見つけたらそれを作っても構わないよっていう仕組みになっていると知って、研修を受けることにしました。

Q

研修される段階ではもう鳥取市に移住されていたんですか?

Q

榎本さん

そうですね。研修の前から住んでいました。
『とっとりふるさと就農舎』に行って「ここしか僕は農業を教わる先が無いんですよ」って言ったら、快く迎えてくださいました。

一応面接もあって、1日だけ農作業体験もしました。
たぶん、研修施設に「新規就農希望者が来る」というのは鳥取市の方からあらかじめ伝えてくれていたと思います。だから流れはスムーズでした。

Q

研修期間はどのくらいでしたか?

Q

榎本さん

研修は稲とか果樹とか野菜とか全般的に教えてもらい、がっつり2年間ありました。

Q

今作っておられる作物に決めた理由を教えてください。

Q

榎本さん

研修中にトウモロコシを植えてみたんです。これが、形は不細工でしたけど大阪では食べたことないくらい旨かったんですよ。「なんだこれは!これを極めたら勝てるんじゃないか?!」と。それでトウモロコシに決めました。

Q

大阪と鳥取市で食べたトウモロコシの違いはなんでしょうか?

Q

榎本さん

それはもう鮮度!鮮度しかない!
普段食べているものは市場に出た段階でかなり時間が経っているんで、その時点で少し鮮度が落ちているんです。この「時間」をいかに短くできるかで勝負しています。

朝採ったものを素早く出荷するのは働く側もしんどいんですが、今は面白がってやっています。年齢を重ねてゆくと今の僕のやり方ではできないんでしょうけど。夜中の2時から作業したりしていますから!

ピーク時は大変ですね!

Q

榎本さん

どえらい作業です(笑)

Q

私生活で変わった事は?

Q

榎本さん

子どもと一緒にご飯が食べられることですね!サラリーマン時代だったら無理だったと思います。あの頃は朝7時か8時から夜10時や11時まで働いてましたから。

Q

とても一緒にご飯は食べられないですね…

Q

榎本さん

多分、大阪でサラリーマンを続けていたら、子どもたちの寝顔しか見れない生活をしてたんかなと思いますね。

Q

 お子さんはおいくつですか?

Q

榎本さん

8歳と4歳で両方とも男の子です。

Q

鳥取市に移住されて子育ての面ではいかがですか?

Q

榎本さん

メリットデメリット、どちらもあります。

鳥取市は自然もいっぱいあるし公園に行っても人口少ないからか空いてるし、空気もうまいし環境は良いんです。大阪は環境的には逆ではあるんですけど、子ども多いんで友達が多いと思うんですよ。

だからどっちがいいかわからんですね!

鳥取では人と話したりする機会自体が少ないんで、その辺がデメリットかなとは思います。まぁそれが将来どんな影響を及ぼすかは、子どもが大きくなるまでわかんないですけどね。でも子どもには視野や人脈を広げてほしいと思っているので、大きくなったらとりあえず1回は都会に出て欲しいなと思います。

Q

移住されて変化したことはどんなことですか?

Q

榎本さん

働き方ですね。時間の使い方が1番変わったと思います。農業は時間を決めるなども自分ですべて考えて働くんです。いろいろな制約があったりする中で、自分で考えて仕事をしないといけません。

サラリーマンの時は、自分でも考えるんですが、上からの指示があってチームで動くことが多かった。全然違ったスタイルなのでそこが一番変わったところだと思います。

ご自身で考えて働くのがお好きなんですね。

Q

榎本さん

元々いろいろ指示されるのが好きじゃないんだと思います!
農業やり始めて気づきましたね。「こっちの方がいいな」って。(笑)

Q

鳥取市以外に移住したいと思った場所はありましたか?

Q

榎本さん

鳥取市しか考えて無かったですね!結婚して妻の実家に年に数回帰っていたんですが「なんちゅう良いところ!」と当時から思ってましたから。山も近いし海も近いし。自然がいっぱいだし。

でも、知識が増えた今なら、農業やるなら太平洋側を選んだ可能性が高いです(笑)
雪がやっぱりどうしようもなくて。降るか降らないかわからないところが厄介。降るなら降るでドカっと降って欲しいですね。そのほうが対策もできるから。

Q

お仕事以外で困った事は?

Q

榎本さん

苦労とかではないんですけど、都会にいるときにはなかった地域の自警団の役割とか役員とかですね。苦労ではないんですけど...そういうのがあるって知らなかったのでびっくりしました。都会だと町内会ぐらいで、あとは寄り合いって無いんですよ。

Q

移住されてよかったと思いますか?

Q

榎本さん

それはよかったと思います!僕はここで暮らしていきたいと思っています。

Q

ご趣味はありますか?

Q

榎本さん

釣りが大好きです!7歳の時からやっているので、もう34年になります。
鳥取市に移住して釣り三昧!いかに仕事のスキを見つけて釣りに行くか!を考えてます(笑)

今、僕はショアジギングという磯とか堤防でやる釣りでヒラマサをずっと狙っています。2年前から頑張ってるんですけど、去年の夏も釣れなかったので今年の夏にまたリベンジです。

Q

サラリーマン時代と比較して収入の変化はどうですか?

Q

榎本さん

所得で言うと減っていますね。でもめっちゃ生活が苦しいかといわれるとそうでもないです。

でももっとお金を残す仕組みにしないとまだまだ危ないと思います。万が一トラクターが壊れたりした時、大きな頭金がいるじゃないですか。そこを貯めていかないと経営的にはしんどいと思います。

備えることばかり考えているとやってられない仕事ではあるんですけどね。

いくら投資していくら回収できるか、機械を導入する時もかなり慎重に考えています。

ある程度まとまったお金がないと不安なので、サラリーマン時代よりずっとお金のことを考えてると思います。

Q

これから移住をする人と農業する人へアドバイスをお願いします!

Q

榎本さん

「田舎生活に憧れて農業をやる」っていうのは本当にやめた方がいいです。ガチで農業に向き合わないと失敗する人が大多数なんです。

農業っていろんなことを同時並行で考えて進行しないとどんどん作業が遅れてしまうし儲けにならない。のほほんとした田舎生活を送りたくて、みたいな人はやめておいたほうがいい。

老後にのんびりしたい人が趣味でやるのは全く問題ないけど。まぁ僕は必死に仕事して、いかに隙を見て釣りをするかっていうレベルに達していますけどね!きっちり仕事した上で好きなことをやっています。


ありがとうございました。

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